昇級審査で見た極真魂

進裕治指導員のつぶやき

進です。

先日の昇級審査で印象深い出来事がありました。

一般部では3級(緑帯一本線)の道場生が2級(茶帯)へ上がる為の昇級審査を受ける際に、試割を行います。

正拳なら3枚、猿臂(肘)・手刀なら4枚、足刀なら5枚の杉板を重ねて割ります。

今回はSさんとN君が試割に挑戦。二人とも正拳を選択しました。

正拳での試割は、日頃拳を鍛えている道場生でも失敗することは珍しくありません。そして失敗すると拳を痛める事が多いのです。

Sさんは一発で勢い良く割りましたが、その前に挑戦したN君は一発で割る事が出来ませんでした。二発、三発と打ち込みますがなかなか割れません。一緒に審査を受けた道場生も心配そうに見守っています。

何度も失敗して拳もかなり痛かった筈です。

「足刀に替えてもいいよ」と言われたN君。覚悟を決めた表情で「いいえ。正拳でいきます!!」と言い放ち、渾身の力で板を叩き割りました。

道場生からは自然と拍手が沸き起こり、N君は少し照れくさそうな顔をしていました。

自分も感動しました。

中学生の時に入門してきたN君。線が細く大人しい性格で、組手はあまり得意ではなさそうでした。怪我をしたり、試合で辛い思いをした事もありましたが、コツコツと稽古に通い続けて大学生になった今、こんなに根性がついたんだなと思い嬉しくなりました。

空手の修行では、自分の殻を破らなければ乗り越えられないような試練にしばしば遭遇します。

今回、逃げずに試割をやりきったN君は殻を一つ破ったように自分には見えました。

試割


« »

Related Posts Plugin for WordPress, Blogger...